甘さの秘密

恵まれた土地

本巣市糸貫地域は木曽三川の一つ揖斐川の支流である根尾川の扇状地に発達した場所です。根尾川には鮎が住み、その清流が糸貫川に流れ込み、席田農業用水として農作物の栽培に使用されています。梅雨の時期になると用水一体は蛍が乱舞する名所として有名です。日本で初めて蛍の保護地域に指定されています。

老木のよさ

「桃、栗3年、柿8年、梅はすいすい13年」という言葉があります。柿は種をまいてから8年たたないと実をつけないといわれています。そのため品種改良がなかなか進まなかったのですが、最近では、バイオテクノロジーの発達によって短期間で品種の改良ができ、色々な品種が出回ってきています。接ぎ木で苗を植えると、4,5年もたつと実がつき始めます。柿8年が柿4年に短縮できるのです。しかし若木は実は大きいが、甘みが薄いという欠点があります。一方で、老木になると、実は小さくなるが甘みは増します。その両方のいいところどりをするのが接ぎ木の良さです。だから老木の母木は大切な宝です。老木であるがゆえに抵抗力も弱く、病害虫でも枯れてしまいます。老木が残っているということは丁寧に管理をしてきた証拠とも言っても過言ではありません。

大玉で糖度の高い甘い柿を作る工夫

  1. 富有柿を中心に、大きさ、色、甘さ、食感など評判の良い品種の柿を厳選して栽培しています。
  2. 畑に草を生やし、土を豊かにして土中のバクテリアを増やし、鶏糞などの有機肥料を多く使って、病虫害に強い柿の木(根)を育てることで、甘く深みのある富有柿ができます。
  3. 根を育てるためには、木の間隔を広くし、枝を少なくして、日光が当たるように枝を広げ、葉を多くつけられるようにしてあげます。そしてより光合成ができる環境を整えてあげることで、実の成長を促し大玉の実にしていきます。秋になれば十分に日光を当てて実を赤くして糖度を増加させていきます。
  4. 古木は年を重ねるごとに、樹勢が弱まり、害虫によって大枝が枯れることがあります。しかし根がしっかりしていれば根元から枝が出てきます。その枝に十分成長した枝を接ぎ木すると古木を更新することができるのです。大玉のなる若木の特徴と甘い実のなる古木の特徴を持つ大玉の甘い柿がとれるよう工夫しています。
  5. 夏の終わりに、柿の実に袋をかけると、ゆっくり成長させることができます。寒くなっても、成長を続け、柔らかくならずに樹上で完熟させていきます。商品名は「富有袋柿」といいますが、とても手間がかかり、収穫数量も少ないのですが、最高級の富有柿を味わっていただきたいという想いから一部の畑で栽培しています。
  6. お客様においしくいただいてもらいたい、品の良い柿の甘さを味わってもらいたい。そのために愛情をかけて手間暇を惜しまず管理し育成していくことが大玉で糖度の高い甘柿を作る最高の秘訣です。